予定調和
先日、アカデミーのジュニアたちがオーケストラのコンサートでバレエ作品を踊る機会を頂いた。
開演前、オケとの合同リハーサルでジュニアたちを指導していた時、偉大な先輩の言葉が頭に浮かんだ。
その方は、日本バレエの創成期、谷桃子先生のパートナーとして「白鳥の湖」をはじめ多くのバレエ作品の主演を踊られるなど、日本バレエの礎を築かれたお一人、小林恭先生。
自らの踊りを「バレエグロテスク」と呼び、ロシア人や西洋人の踊りとは違う日本人が踊るバレエの創造を探求し続けられた方だ。
「おやじ」と親しみを持って呼ばれていた恭先生は、多くのバレエ人に刺激と影響を与えるバレエ愛に満ちている方だった。
「傘を差すから雨が振るんじゃない。雨が振るから、傘を差すんだ。」
稽古場で幾度も聞いた恭先生のセリフ。
予め取り決めていたように進めたとしても、必ずしもそれが伝わるとは限らない。
少し困惑気味に楽譜を見ておられる指揮者を見ながら、「その踊りでは伝わりません。」と仰っていた恭先生のことを思い出した。




