ヘンゼルとグレーテル
僕が、メルヘン・オペラの代表作「ヘンゼルとグレーテル」としっかり向き合ったのは、十年以上前。
縁を頂き長崎県の大学で学生さんに演技に関する指導をしていた頃、演出の担当として、オペラ「ヘンゼルとグレーテル」の上演に携わる機会を頂いた時であろう。
この作品は、子供が主人公なので、日本人である僕は、当然に五月のこどもの日に催される演目と思ってしまうのだけれど、欧米ではクリスマスオペラとして定着しているものであると云うことを学んだのも、この頃だ。
当時大学生で僕がバレエシーンを担当した際に出演していた音楽家・故古川直美さんは、その後、ドイツで音楽を学ばれ、帰国されてからは、僕らと一緒に舞台を創り、教育活動を行ったかけがえのない仲間だった。
勤勉で努力家、弱音を一切はかない。
ドイツを愛し、故郷九州を愛した彼女が奏でるピアノの音を十二月になると思い出さずにはいられない。

