大晦日

毎年のことではあるが、テレビから流れる紅白歌合戦の蛍の光が聞こえてくるまでに、枯れ葉で足元が見えなくなっている庭の掃除を終わらせ、年越し蕎麦を食べ終わらなければならない。

腰をひたすら屈めて枯れ葉を集めゴミ袋に詰める作業に没頭するとき、パリのオルセー美術館で観た十九世紀のフランスの画家、ミレーの「落穂拾い」を思い出す。

「落穂拾い」は、当時自らの労働で十分な収入を得ることが出来ない者の権利として認められていた慣行であったとか。

僕にとっての「枯れ葉集め」は、庭の景色を美しいものにするための行動であり、自らの美意識を高める学びなのだ。と言い聞かせ疲れ切った身体に鞭打ちながら、今年もまた陽が暮れるまで、枯れ葉を集め続ける。

二十一の夏、僕は、谷桃子バレエ団を退団した。

「一生、勉強よ」。

谷桃子先生から頂戴したその言葉に恥じぬよう、令和六年も一生懸命に生きようと思う。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

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